水漏れ

「お!鶴もいるぞ!」そして水漏れ 高槻市も!しかも弊社の攀じている径の両側を援うた樹の間々には、所々に金花や薔薇が咲き零れ、陽光は繁みから落葉の上へ光線を屈折して、どこからとてもなく、咽ぶような花の匂いが風に送られてくる。穏やかな穏やかな自然!睡気を誘う恍惚とした微風!山路を踏み分けてゆく我らの心も軽く、身体はねっとりと汗ばんで一人脱ぎ二人脱ぎ、いつつまりがどこから現れてくるかわからぬ未知の土地とは知りつつも、しまいには全員上衣を脱いで、勇ましく「らいんの護り」まで口を衝いてくる快速であった。これが昨日まではへとへとになって大自然の脅威に打ちのめされていた同じ人間とは考えられぬくらい、旺盛な元気ぶりであった。さながら極境を行く一隊とでも評した方が適当だったかも知れぬ。かくして、弊社は次次第に爪先上りの道を攀じ登っていったが、やがて頂上間近と思われた頃、「おう!おう!」と先頭から驚異の叫びが次々に洩れて、隊列は一時に乱れた。そして、我がちに絶へと駆け上っていったのであったが、登り詰めたものは我を忘れて声もなく、ただ茫然として今眼の前に開けた大景観に眼を奪われ切っているのであった。弊社はさっきから、幾度となく繰り返して、なんという美しい、なんという素晴らしい、と同じような形容詞を重ねてきたが今度こそはほんとうに、なんという景観であろう!