高槻市

と唸らんばかりの気持で、しみじみ高槻市 水漏れを放たずにはいられなかったのであった。見よ!前方遥かに遠く、甲板上から遠望した、あの雪を纏う大高山が聳え立ち中腹には白雲が悠々と流れている。そして裾野は緩やかに東北方に流れて、眼に入る限り橄欖樹の大森林!その前方に白く帯のように光って一条の河が麓を取り繞き、河のこちら岸には一面の潅木に繞まれた大丘陵がそそり立つ。丘陵の潅木と潅木の間を点綴してうねりに沿って、碧、紫、群青、玉虫色に光る甍を並べて、なだらかな大市街が美しい町並を形づくっているのであった。しかも所々に高塔伽藍が甍を抜き、遠く離れて円形の劇場らしい大建築が聳え立つ。ことに市街の中心と覚しきあたりには、陽光に反射して見る眼眩ゆき舗石が、円柱の並んだ大建築を取り繞って放射線状に張り出した広場の中央には、噴泉らしいものもある……そして、今、弊社のたたずんでいるこの絶巓から、その市街の列なった丘陵に向っては、方十数メートルにもわたるなだらかな大傾斜が脚下遥かに展開して、眼も醒めんばかり若草萌ゆる大草原に、繚乱花の咲き乱れた艶やかさ!再び一同は突如眼下に打ち展けたこの雄大無比な大景観に向って、声を挙げることさえも忘れて、ただ恍惚と眼を瞠っていた。この陸地がこれほどまでに広大なものとは夢にも思わなかった。これほどまでに雄大であるとも露知らなかった。