高槻市

この都会の住民たちが、欧州人にも増して、いかに自分の祖先や家族たちの高槻市 水漏れなる感情を捧げ、日夜限りなき思慕を通わせているかを知ったからなのであったが、ともかく兵員一人としてこの塋域を乱すものとてもなく、今眼前に迫ってきた海図にさえ載らぬこんな未開の土地とも覚えぬ広壮華麗なる市街地を指して粛々たる行進を続けたのであったが、今一足で市街地へはいろうとした途端、今度は道の左手に、同じく鬱蒼たる橄欖の林に繞まれて、絵のように美しい、石造りの大殿堂が聳え立っているのに、驚嘆の瞳を向けずにはいられなかったのであった。大理石に似て、もっと石膚が艶やかに、もっと純白雪のように磨き上げられた円柱が並列して、円形の屋根を支え、円柱の台石に飾り付けられた裸体女神の立像や、座像や、そして屋根と柱との壁間に刻まれた白鳩とあかんざす模様の見事さ!しかもこの殿堂は、見る眼遥かな七、八十歩の大階段の上にそそり立ち、その階段から弊社のたたずんでいる道のべまで一面に広い乳白の甃が敷き詰められて、中空に参差し交錯した橄欖樹が、折からの影った陽の光を受けて、仄かに影を甃の上に落している平和さ、荘厳さ!恍惚と見惚れながらも、これから弊社の訪れようとしている未知の都会に住む住民のいかなる人たちなるかに、今一度首を傾げずにはいられなかったのであった。