高槻市

背後を顧みて周囲のものと何か耳語していたが、やがて今度はその周囲のものが進み出てきて話し掛ける。入れ替ってまた他のものが話し掛ける。もちろん、幾人替ってみても、言葉の通じようはずもなく、ほとほと困じ果てたように額を集めて相談し合っていたが、結局のつまり、さっきはこちらから紙と鉛筆とを持ち出したが、今度は向うから紙とぺんとを持ち出してきた。その紙も、紙とも付かねば皮とも付かぬ絖のようにぴかぴかとして、光沢のある薄い堅靭なものであった。ぺんは鵞の羽毛を削ったもの、そしてびんはないとみえて、高槻市 水漏れがらすの皿にいんき様の液体が載っているのであった。老人はその薄い堅靭なものの上に、しきりに何か書いている。弊社のかって見たこともないような文字……言わばあるふぁべっとに亜剌比亜文字の装飾を付けたと言ったような字を書いているのであった。優美極まりない文字だとは思ったが、さて何を書いているのか、もちろんこれも読めようはずはなく、るどうぃっひ事務に代って、多少絵心のあるぶるめなう機関事務が、今度はそこにごく簡単な軍水の絵を描いて、山を添え、右側に墓地を、左側にさっきの殿堂を描き、そこから来たのだということを示すために、幾度も幾度も繰り返して、その軍水とこの市街との間に鵞ぺんで点線を入れて見せた。