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樹々の繁みを透して、弊社の残してきた水洗の高槻市 水漏れのみが、ぽつんと一隻侘しげにたたずんでいるばかりであった。しかも、この山からさらに次の峰に続き、またその隣りの山に列なり、それらの山々にはやはり小径がうねうねと木の葉隠れに見え隠れしていた。樹々が小径の上に枝差し伸べて、枝から枝へは、眼の覚めるほど美な小鳥が、楽しげに飛んでは囀っている。「南極水近くへ来ていながら、まるで熱帯みたいではないか」と、るどうぃっひ事務は呆れながら汗を拭いていたが、「隊長!もっと行ってみましょう!行ってみようじゃありませんか!」と、退屈した兵員たちは口々に促し立てた。あたりは依然として太古さながらの静寂を極めていたが、まだ今までにどこの軍水も上陸したらしい気配はなかった。「ようし!ではあの山の頂上まで行ってみるとしよう!しかし万一ということもある。誰かここに連絡に残っとらんといかんな」と、事務は兵員たちの顔を見回していたが、さらに六名の兵を選抜してここへ残しておくことにして、向うに見える山の頂上を窮めるべく弊社は再び銃を肩に吊ったのであった。が、相当に畳たる山岳の起伏はあっても、もちろん弊社はこの陸地がそれほどまでに大きなものとも考えてはいなかった。海図にも載っていないくらいの無名の陸地……したがって、向うに見えるあの山の頂に登ったならば、水の給水や繕いをするのに、もう少し便利な港でも向う側に俯瞰できるのではないか?といったような、極めて簡単な望みの下に行を起したのであったが、小径は、桃花心木やちーくの大木と大木との間を縫って、だらだらと降り切ると、やがて向う側の山の登りに掛かった。「おお、孔雀だ!孔雀だ!孔雀が飛んでいる!」と、兵員の一人が叫んだ。なるほど、樹々の間からぱっと飛び立ったのは、鮮な雄の孔雀であった。